非常用発電機が壊れる原因として潤滑油の劣化などがあげられます。
劣化した潤滑油を交換せずに使い続けることは、エンジンへの影響やシリンダーの円滑な動作に影響を及ぼします。オイル量が減少したり劣化すると、ピストンリングのこう着やピストン、シリンダーや軸受けなどが早期に摩耗したり、焼き付きが発生するなどの大きなトラブルに発生しかねません。
こうしたトラブルを未然に防ぐために潤滑油の点検と交換は定期的に行わなければいけません。
潤滑油の交換は、メーカー推奨時期では一年に一回です。
ラジエーターは非常用発電機のエンジンを冷却する役目をしています。
定期的な点検を行わずにラジエーターの冷却水を放置すると、腐食や錆が原因で冷却水が漏れ出しオーバーヒートを起こす原因になります。他にもラジエーターキャップは圧力調整という非常に重要な役割をしています。内部に圧を加えることにより、沸点を上げ冷却効果を高めます。
通常、水の沸点は100度ですが、加圧することにより100度では沸騰しないようにしています。点検を怠り、同じ冷却水を長く使い続けると沸点が下がってただの水に近い状態になってしまいます。
また、埃や塵の多い環境では目詰まりを起こしやすく、点検を怠ったことによりラジエーターがうまく作動せず非常時に使用できないといった事例も報告されております。
冷却水は二年に一回の交換が望ましいとされています。
非常用発電機の負荷試験を行うときは潤滑油や冷却水の状態を確認してエンジンやラジエーターが正しく起動しているかをチェックします。
非常用発電機は電力供給がなくても独自に発電できますが、始動時には蓄電池にためた電力を使う必要があります。
万が一寿命や故障でエンジン始動に必要な電力を供給できないと非常用発電機は作動しません。
非常時に全く作動しないという事態を避けるためにもメンテナンスや交換が必要なのです。
非常用発電機の蓄電池のおおよその目安は5~7年が寿命です。
蓄電池のメーカーや使用頻度、気温や湿度などの環境によっても寿命は変わってきます。
最低でも5年は平気でもつという訳ではありません。
新品の蓄電池に交換するのがもっとも安心できる方法です。
密閉式でない場合、バッテリー液や部品の交換、専用機械を使用して充電をおこなって復活させることも可能です。
ただし新品に比べて耐久性は劣るので、2~4年後に寿命がきて交換になる場合もあります。
修理はその場のコストが安く済みますが、長期的に見ると一概に割安とは言い切れません。
無負荷(エンジン始動のみ)・軽負荷(30%以下)の運転はある意味でエンジンの空回しです。
空回しによる不完全燃焼の結果、ディーゼルエンジンの内部や排気口周辺には、湿ったカーボン(すす)が発生して付着します。
この蓄積されたカーボンをそのままにしておくと損傷、破損、火災の原因になりかねません。
非常用発電機に蓄積されたカーボンは負荷試験をすることで燃やす事ができます。
ですから、定格出力30%以上の負荷で必要時間連続運転を行う必要性があるのです。
一年に一回は必ず負荷試験を行って性能を検証することで、発電機をいつでも動かせる状態にしておきます。